S660で二人旅行をするなんて想像していませんでした。ところが今、僕はYouTubeで「道の駅めぐりシリーズ」を制作していて、妻の都合が合うときには撮影に協力してもらっています。僕が気づかない視点を教えてくれるので、動画がより面白くなると思っているからです。
ただし、S660は二人乗りでスペースが限られているため、日帰りドライブでも荷物置き場に困ることがありました。そんななか、福井県の道の駅をめぐる動画を撮影するため、一日では時間が足りず、一泊二日での撮影が必要に。こうして僕と妻は、初めてS660で一泊二日のドライブ旅行に出かけることになったのです。
今回の最大の課題はもちろん「荷物置き場」。S660で二人分の旅行荷物をどう積むか。このブログでは、僕たちがどのように荷物をまとめて積み込んだのか、実際の工夫を紹介していきます。
S660の収納スペースはどれくらい?基本の積載事情をチェック
S660は座席の後ろにエンジンを積むMR(ミッドシップ・リアドライブ)レイアウトを採用しているため、一般的な車のようなトランクはありません。室内も二人分のシートがあるだけで、収納スペースはほぼゼロに近いのが現実です。
唯一の収納場所といえるのが、前方のボンネット内にあるユーティリティーボックスです。本来は幌(ルーフ)を収納するためのスペースで、屋根を外さなければ多少の荷物を入れることができます。ただし、このボックスはラジエターの後ろにあるため内部は高温になりやすく、食品や精密機器など熱に弱いものを入れるのは無理です。
そうなると実質的に使えるのは助手席のスペースになります。一人で乗るときは助手席に荷物を置けば済みますが、今回は妻と二人旅。助手席には人が座るので、結果的に「妻の膝の上」が収納場所という状況になってしまいます。これでは持っていける荷物がどうしても限られてしまうのです。
一泊二日旅行に持っていった荷物リスト
今回の一泊二日旅行で実際に持っていった荷物は以下の通りです。
- 二人分の着替え(1日分)
- 洗面道具・化粧ポーチ
- カメラ機材(動画撮影用)
- モバイルバッテリーと充電器
- パソコン(動画編集用)
- お土産(旅先で購入予定)
- その他細々とした小物類
僕の荷物の大半を占めたのは、やはり撮影機材です。マイク、カメラ2台、バッテリー、充電器、交換レンズ、そして三脚など。これらは動画撮影に欠かせない道具なので、どうしても車に積み込む必要があります。
さらに、撮影中にSDカードの容量がいっぱいになることを想定して、パソコンも必須でした。撮影データを移し替えてカードを空けておくためです。旅先での快適な撮影環境を整えるためには、これも欠かせない荷物でした。
荷物はこう積んだ!S660で旅行するための工夫と積載方法
今回の一泊二日旅行で荷物を積み込むうえで、やはりユーティリティーボックスの活用が最大のポイントになりました。S660には大きなトランクがないため、このスペースをどう使うかで積載量が大きく変わります。

ユーティリティーボックスはラジエターのすぐ後ろにあるため内部は高温になりがちですが、衣類のように熱に強いものなら問題ありません。そこで二人分の着替えを柔らかいバッグにまとめ、ボックスの中へ。想像していたよりもしっかり収まり、まだスペースに余裕があることも分かりました。荷物が積めた瞬間は正直ホッとしましたね。
ただし、電化製品だけは絶対に入れられないというのが悩みどころです。充電器やカメラの一部機材は熱を帯びると故障のリスクがあるので、仕方なく室内に置くことにしました。パソコンや撮影機材は必須アイテムです。
今回持参したSurface Book 2は、動画編集やSDカードのデータ移行に欠かせないのでどうしても持っていく必要がありました。そこで衝撃を吸収するケースに入れ、運転席下の空間に収納。ギリギリのサイズでしたが、ケースごとぴったり収まったのでよかったです。

さらに僕の場合、身長168cmという体格も工夫の一つになりました。運転席を前に出して座っても足元に余裕があるため、その後ろに小さな空間ができます。ここには充電器や髭剃り、撮影用のバッグなど、形の自由度があるものを押し込むことができました。
一方で妻の荷物についてはどうしても制約があり、膝の上に置いてもらうスタイルにならざるを得ませんでした。観光地を歩き回る際に必要な化粧ポーチや小さな手荷物などは、常に膝の上に。走行中は少し窮屈に感じさせてしまったかもしれませんが、これもS660で旅行するなら避けられない現実です。
お土産に関しては事前に「なるべく最後にまとめて買う」と決めていました。購入したものは妻の足元や膝の上に置いて対応。道の駅を巡るとつい色々欲しくなってしまいますが、「積める範囲だけ」という制約があることで、その場で楽しめるものは楽しんでしまおうという意識で旅ができました。
S660でドライブ旅行をして感じたメリットとデメリット
S660で旅行をすると、普段では味わえない特別なドライブ体験を味わえます。ワインディングを軽快に走る楽しさや、コンパクトな車体ならではの操作性は、運転好きにとっては最高のご褒美です。
ただし今回の旅行では、オープンにして走ることはできませんでした。
理由は荷物の積載。S660は屋根(幌)をユーティリティーボックスに収納しますが、今回はそこに二人分の着替えを入れていたため、オープン走行を諦めざるを得ませんでした。オープンカーに乗っているのに屋根を外せないというのは、少し残念な現実です。
さらに、道の駅で野菜や果物などのお土産を買いたくなっても、荷物スペースの都合でほとんど断念。助手席や膝の上に置ける範囲しか運べないため、「欲しいけれど持ち帰れない」もどかしさがありました。
そしてもう一つ忘れてはいけないのが、妻の理解が必要だという点です。運転している僕は楽しくても、助手席に座る妻は荷物を膝に抱えたり、窮屈な思いをしたりする場面がありました。だからこそ「一緒にS660で旅行を楽しもう」という気持ちを持ってくれる妻の協力があって初めて成立する旅だったと思います。
それでも、運転する楽しさは不便さを上回ったのも事実です。旅の道中で「この車に乗ってきて良かった」と思える瞬間が何度もありました。快適性や積載性で不利な部分があっても、それを補って余りある走行体験――それがS660で旅をする最大の魅力だと感じました。
まとめ:S660でも二人で旅行は十分楽しめる!
今回、妻と一緒にS660で一泊二日の旅行に出かけてみて、改めてこの車の特徴を実感しました。
確かに収納スペースは限られていて、荷物を置く場所には常に頭を悩ませます。オープンにして走ることを諦めなければならない場面もありましたし、道の駅で買いたいお土産を持ち帰れない不便さもありました。
それでも、走りの楽しさと特別感は不便さを上回るものでした。小さなボディで軽快に走り抜ける爽快感や、パートナーと一緒に工夫しながら旅をする体験は、普通の車では味わえない価値があります。
S660で二人旅行をするには「荷物は最小限」「お土産は宅配便」などの割り切りと、一緒に旅を楽しもうというパートナーの理解が欠かせません。しかし、それさえあればS660でも十分に旅行は可能ですし、むしろ特別な思い出になります。
不便さも含めて楽しむ――それこそがS660で旅行をする醍醐味ではないでしょうか。